

羽毛の種類・側生地の種類・キルト方法。
羽毛ふとんの質を決めるのは、この3要素のマッチングです。
当店でも様々な羽毛ふとんを取り扱っていますが、
そんな中でも、私がふだん使っているのは、結婚したときに主人が仕立ててくれたとても良いもの。
上質な羽毛を包むのは、軽くて柔らかな側生地です。
あ~しあわせやなぁ~と、これまで使ってきました。
それが…。
お風呂場で足を滑らせ脇腹を強打した日は、横になれず、壁にもたれて夜を明かしました。
少し冷える晩で、足にはそのお気に入りの羽毛ふとんをかけて。
『これは多分重く感じるで。薄い方にしたら?』と主人が肌掛け羽毛を持ってきてくれましたが、
寒がりな私は、お気に入りのいつもの合掛け羽毛を選んだのです。
『何かあったら声かけや』と、主人は廊下におふとんを敷いて寝てくれました。
それから1時間ほど経った頃。
同じ姿勢をキープするのに疲れ、そろりそろり動いて体勢を変えると…
『ふとん、重い…』
ふだんあんなに軽くてしあわせ気分になれた羽毛ふとんの、なんと重いこと。
おなかに力の入らない身には、綿ふとん並のドッシリ感がありました。
時々、ご高齢の方の羽毛ふとんを求めて来店されますが、
『重い重い言うんです。軽い羽毛ふとん用意してんけどな~』と、
ご家族はおっしゃいます。
そんな時におすすめするのは、日本ではあまり見ない、平織り生地を使った羽毛ふとん。
少し衣擦れの音はしますが、大変軽い生地です。
これに上質な羽毛を700~800グラムほど入れます。
(上質な羽毛であれば、たくさん充填せずとも暖かいのです。ボリュームも出ず、取扱いもしやすい!)
ほんの少しを積み重ねて、やさしい羽毛ふとんを作っていきます。
これまで、軽い羽毛ふとんさえ重いと感じる経験は、したことがありませんでした。
しかし今回、自身で体験して、少しはそのしんどさを感じられた気がしています。
これを忘れないでいようと思います。
体がエライ時は、眠ることでも疲れてしまうのですね。
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