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歴史で考える新型コロナウイルス

もう20数年も前の話ですが、歴史を専攻する学生だった私に、バイト先の喫茶店の店長さんが『なんで過去をふりかえるだけの勉強を、親にお金出してもらってまでやってんの?』と聞かれたことがありました。当時の私は、『小さい頃から好きで、楽しいから』としか答えられませんでした。情けないことに・・・。

 

その店長さんはとても頭の切れる人で、お客さんと競馬予想をするのが日課でした。賭け事というよりは、考え抜くのが楽しいようでした。過去の膨大なデータを拾い、天候・馬場の別・馬の年齢などのたくさんの項目を盛り込んだ数式を自分で編み出して、勝率を算出するのです。その改良に余念がないのです。からっきし数学がダメだった私は、正誤はともかく、その執念と楽しそうな様子がおもしろく、分からないなりにその理論を日々聞いていたのです。ゆえに、自分の興味の対象が、これからの世の役には立たない、もっと言えば好奇心を満たすだけの学問に過ぎないのか・・・と思ったわけです。

その後全く畑違いの職業に就いたことも、自信のなさを助長していきました。

 

それが、『こういうことやったんや!』と心の底から思える番組に出会ったのです。

NHK ETV特集 

「緊急対談 パンデミックが変える世界〜歴史から何を学ぶか〜」

今世界を暗い闇に落としてしまっている新型コロナウイルス。

人類はこれまでにも、ペストやスペイン風邪などのパンデミックと闘ってきた歴史があるから、

今回も大丈夫!という話はよく耳にします。

 

ですが、この番組に出演している学者さん達は、人間の在り方を考える逼迫した必要性を説いていました。

過去、パンデミックの後、社会は大きく変わってきたそうです。

都市が生まれ、上下水道等インフラが整えられてきたのも、感染症の世界的流行に見舞われた人間が、次こそはウイルスに打ち勝つべく知恵を絞った結果だと。

とてもわかりやすく話が進められ、なるほど!歴史ってめちゃくちゃ役に立つやん!! とうれしくなると共に、

もっと勉強しといたらよかったな~という思いがふつふつと湧いてきました。

 

もっと想像力を持って考えてほしい

日本が今まさにとっている【国が要請し、国民がそれに応える形で自粛する】マンパワーを信じる方法、

これがうまくいかなければ、失敗すれば・・・

新型コロナウイルス収束後の世界が、中国などの国がとっている【国民をGPSで隙間なく管理する】方法こそが

正しいのだとされてしまう可能性が、グッと高まるのですよ・・・と。

世界が狭くなっている中で起こった今回のパンデミックは、それほど社会を変える力を持っているのだ

というお話でした。

 

自分の力では、そんなところまでとてもじゃない、考えられないので、とても勉強になりました。

 

人間がこれまで地球上で行ってきた開発。

熱帯雨林の伐採・環境汚染・乱獲・・・それらが野生動物と人間の距離をより近くし、ウイルスとの闘いを100年に一度から10年に一度のペースに縮めてしまっているのだそうです。

痛みの伴わないエコ、では、どうしようもない所まできている・・・のかもしれません。

 

私たちは何をすべきか・・・まずは知ること、考え続けること。

子ども達と一緒に続けていかねば、と思います。

日本人は“喉元過ぎれば熱さを忘れる”傾向が強い、とおっしゃっていました。

肝に銘じて!

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コメント: 1
  • #1

    クリ (日曜日, 19 4月 2020 18:14)

    私も見ました!
    感染病にどう対処するかというレベル以上のことを考えさせてくれました。
    勇気のわく番組でした。