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話題の【殿様枕症候群】を深掘りしてみる

殿様枕症候群 殿様枕の図

かわいらしかったので殿様枕ならぬ姫様枕を載せていますが、形状はどちらも同じ。髷を崩さず眠ることを一番に考えてあるので、

とにかくえげつない程高いのです。

現代でこの枕を使っている人はいたとしても極々小数でしょうから、国立循環器病研究センターが“殿様枕”と冠した名称を付けたのは、

警鐘を鳴らす意味合いが強いのかな・・・と推測します。

 

要は、若くして特発性椎骨動脈解離が元で脳卒中を発症した人の一定数が、体に合っていない“高い枕”を使っていた、というデータが取れた。

だから、高い枕はリスクがあるので要注意、という話ですね。

ここまでが新聞やネット上でも書かれている内容です。

 

私が問題ありと思うのは、『あ、私の枕12㎝あるわ。高いわ。脳卒中は嫌やから、今日から枕低くしよ』となる方が多いのでは?ということ。

ご自身の体格(姿勢や首肩の付き方)と日々お使いの敷き寝具(マットレス・おふとん)とのマッチングで、

高い枕がちょうど良いと感じておられた訳ですから、枕を低くしたら他に不具合が出てくるのがオチです。

 

この【殿様枕症候群】の話で気づいてもらえたらいいな、と思うのは、

◼高い枕でないと私は眠れないと思っている方

 体格があくまでも標準タイプであれば、それは思い込みです。その思い込みを外そう!という意識を持っていただきたい。

◼実際高い枕でないと眠れない体格になっている方

 猫背・巻肩であるとの自覚をお持ちであれば、枕を高くするという対策では、この先きつくなってくるかと思います。

 敷き寝具(マットレスやおふとん)をコシのあるやや柔らかめのもので調整すると、枕はそこまで高くせずとも眠れます。

 寝返りをスムーズに打つことにも繋がるので、睡眠の質を上げることができ、日々の活動にもいいことがあるでしょう。

 

高いのがアカンのなら低く、では問題の解決にはならないことを知ってください。

寝床は、枕と敷き寝具でつくるもの。

体に負担をかけない寝床であれば、たとえ時間はたっぷりと取れずとも、心身の疲れを取る睡眠は手に入れられますよ。